緑眩しい軽井沢へ、リトリート旅~KYUKARUIZAWA KIKYO, Curio Collection by Hilton 編
散策-帰路
駅に到着。2日目にまわした予定があったのを思い出した。今日は実行しよう。
レンタルサイクルを借り、旧軽井沢付近をサイクリングすることにした。一日目に見かけたあの林道がどこへ続くのかも、気になっていた。
駅近くのレンタサイクルでパステルグリーンの自転車を借り、マップを片手に雲場池を目指す。
高い木々に囲まれる小道。小鳥のさえずりが降り注ぐ。ひんやり冷たい午前の空気を感じながら、自転車を走らせた。
10分ほど走ると、林の中にぽっかり雲場池が現れた。
正面からの景色もきれいだが、池周りを一周することもできる。自転車を降り、歩いてみることにした。
水面に、鮮やかな緑が映し出され鏡のようになっている。
木のトンネルをくぐるように、小道を進む。池の半ばに橋がかかっており、その向こうには、今は閉店しているのだろうか、ボートが立てかけられている小屋があった。
期間限定、会員制のカフェのようだった。
雲場池をあとにし、万平通りへ向かう。
かのジョン・レノン一家が滞在したことでも有名な、明治27年創業の名門ホテル。
その万平ホテルへ続く一本道の林道。その道中には、小さな雑貨屋に、レストラン。
自分だけの隠れ家を見つけにいくような、わくわくした気持ちになる。
ささやきの小径は、矢ケ崎川のせせらぎの音が心地よい。緑が生い茂り、静かな時間が流れる。ここは別荘も立ち並んでいる。
サイクリングを一通り終え、帰路へ。
駅近くのお土産屋さんでお土産を幾つか見繕い、16時前の新幹線に乗る。
緑の景色から、東京へ。帰宅の時間も重なってか、途中の駅からは新幹線も満員になっていた。
日常が、だんだんと戻ってくる。
東京駅から在来線へ乗り換え、見慣れた地元の駅に到着した。
しばし時間というものを忘れ、心の向くままに過ごしたのは久しぶりだった。
何かをしたといえば、いろんなことをした。その一方、「なにもしない」余白のような時間も過ごしていた。
この2日間で、訪ねられなかったところもある。でも、それでいい。
日常をがんばって過ごしたらまた、あそこに帰りたい。
「おかえりなさい」と迎えてくれる場所があることを、知っている。
「帰りたい」と思った瞬間、その場所はその人にとってのふるさととなるという。