緑眩しい軽井沢へ、リトリート旅~KYUKARUIZAWA KIKYO, Curio Collection by Hilton 編
出発
朝の満員の電車内。
リュックを抱えて吊革にぶらさがる青年。英語のテキストを片手に立つ女性。
人々が、それぞれの役割を担って行き交う、大都市の駅。いつもの平日の風景。
今日はいつもと違うホームへ。東京駅から、北陸、金沢行のはくたかに乗った。
新幹線が発車し、都会のビル群、街の景色が次々と通り過ぎていく。
車中に目をやると、旅行中だろうか、楽しそうに夫婦で会話をする姿。一方では、スーツを着てパソコンで仕事をする男性。
軽井沢までは、約1時間。
トンネルを抜けていくたびに、徐々に外の風景は緑が多くなっていくのにふと気付く。
遠くに臨む、雪化粧をした山々。日常の喧騒から徐々に自分を解き放っていくような、車窓の景色。
宿泊の予約をしたときに、ホテルから貰ったあるメッセージが心に残っていた。
-ここでは、なにかをしてもいいし、何もしなくてもいい。
新幹線はスピードを落としていく。「次は、軽井沢です。」
駅に到着し車外へでると、ひんやりとした空気が頬に触れた。
都会の暑さとはうって代わった涼しさ。駅の出口が明るい。晴天の軽井沢。
一歩足を踏みだした先には、その日差しに照らされ、緑の鮮やかな山々と、青空が広がっていた。